カンヌ映画祭、まもなく開幕(1) 【今年のファッション・リーダーは誰?】
▲ダイアン・クルーガー/第65回カンヌ国際映画祭
世界中から選りすぐられた映画人たちが集う国際映画祭。中でもカンヌ国際映画祭は長い歴史と南フランスのリゾート地という立地条件もあり、毎年その華やかさで注目を集める。
カンヌでお披露目される新作の宣伝に張り切るスターたちの装いも、映画祭のお楽しみの一つだ。夜の公式上映では男性はタキシード、女性はロングドレスが基本だが、日中に行われる記者会見やフォトコールには比較的カジュアルな装いで臨むスターも少なくない。
例えば、昨年のクリステン・スチュワートは「レベッカ・ミンコフ(REBECCAMINKOFF)」の紺のブレザーに「Juicy Couture」のTシャツ、「バレンシアガ(Balenciaga)」のプリントパンツで登場。「カジュアルすぎる」、「ビミョー」と厳しい評価だった が、全面に柄をほどこしたパンツはまさに今年の春夏のトレンド。要は1年先取りしていたわけだ。もしも今年、「?」と思うようなスタイルの女優が現われて も、来年になれば流行最先端に、という可能性は高そう。
第66回目となる今年は、5月15日から26日(現地時間)までが開催期間だが、2週間近い全日程をこなす審査員もファッションに手を抜かない。昨年、「コンペティション部門」の審査員を務めたダイアン・クルーガーは連日、「ヴェルサス(VERSUS)」や「ニナリッチ(NINA RICCI)」、「バルマン(BALMAIN)」など様々なブランドを着こなした。特に、公式上映では「シャネル(CHANEL)」や「ディオール (Dior)」など高級ブランドのオート・クチュールで華麗に登場。昨年の映画祭の華となった。
今年の「コンペティション部門」審査員にはニコール・キッドマンが参加。昨年のダイアンばりの活躍が期待できそう。「ある視点部門」の審査員を務めるチャン・ツィイーとリュディヴィーヌ・サニエにも要注目だ。
オープニング上映作の『華麗なるギャツビー』の ヒロインを演じるキャリー・マリガンは作品の背景に合わせて、1920年代風の装いで登場するかも。彼女はもう1本、コーエン兄弟のコンペティション出品 作『Inside Lewyn Davis』(原題)にも出演しているので、様々なスタイルを披露してくれそうだ。『La Vie D’Adele - Chapitre 1&2』(原題)のレア・セドゥ、ソフィア・コッポラ監督の『The Bling Ring』(原題)のエマ・ワトソンといった若手女優たちのスタイルも楽しみだ。
今年は日本からの参加者も多い。まずは「コンペティション部門」出品作の『藁の楯 わらのたて』の三池崇史監督と共にカンヌ入りを予定している大沢たかお。欧米のスターと並んでも見劣りしないスタイルの彼ならば、礼装を素敵に着こなして颯爽とレッド・カーペットを歩くだろう。同じくコンペティション出品作『そして父になる』(是枝裕和監督)に主演した福山雅治にも期待。ちなみに同部門の審査員には河瀬直美監督が名を連ねている。
12日間の映画祭で、今年は誰がファッション・リーダーとなるか、楽しみだ。