―「テレビ史に残る演技合戦」―
視聴率連続30%超え、社会現象となったドラマ『半沢直樹』(TBS系)の最終回が、9月22日にOAされた。9月22日に更新された番組ホームページの撮影日報では、その最終回の現場エピソードが公開されている。この撮影日報は、HPスタッフが撮影現場エピソードなどをつづるコンテンツ。番組が放送される約1カ月前の6月7日からスタートし、さまざまな秘話が公開されてきた。108回目となる今回のタイトルは「半沢直樹 今夜ついに最終回」。大和田常務(香川照之)の迂回融資問題と半沢直樹(堺雅人)の金融庁検査での対応が審議される取締役会が最終決戦の場であることから、今回の撮影日報もそのことを中心とした内容となっている。
旧館会議室での取締役会のシーンは、毎週月曜日に行われてきた。最終回の取締役会のシーンは早朝4時すぎからスタートし、「カットの数も半端ありません」とカット割りが288にも及んだことを写真付で掲載。HPスタッフは「えんえんと続く言葉の応酬、取締役会はHPスタッフの手元の時計で20分を超えています」とその臨場感が伝え、「きょう、最終回は25分拡大スペシャル、このシーンのための拡大と言ってもいいくらいです」と明かした。
半沢直樹の能力と人柄を信頼する唯一の味方で上司・内藤部長を演じる吉田鋼太郎(54)は言う。
「内藤は半沢の味方ではありますが、無理難題を全部まかせているので、『自分は何をしているんだ』感が出ないように気をつけました。また香川君はじめ、アクの強いキャラクターばかりなので、僕もアクの強さでみんなに『倍返し』しようと思っています」
吉田が最初に撮影したのは、半沢を伊勢島ホテル担当から外すという大和田常務(香川照之)や岸川取締役(森田順平)に、「不当人事だ」と盾突き半沢を守る場面だった。いきなりテンションの高い、長い場面で緊張していたとき、助け船を出してくれたのは香川照之(47)だったとか。
「香川さんとは飲み友達でね。僕がリハーサルで緊張して、せりふをかんだんです。すると『この人、舞台ですごい人なんだよ』とスタッフに軽く言って、場を盛り上げてくれたんです。それでチーム半沢に入っていきやすくなって、本番はOKでした」
最終回は「日本のテレビ史上に残る演技合戦」という声が、現場であがっていたという。